魔術を失った魔術師
もう何年だったか思い出せない程遥か昔、千は数えられる程の過去にまだ魔術が世界に残っていた頃私は殆ど平凡な魔術師として生きていた。
特別優秀では無いがさりとて劣っている訳ではない、探せば幾らでも見つかる程度の存在である私は魔術師としての普通に生きていくとずっと思っていた。
けれどそれはある日打ち砕かれた。どうやら永遠の命を求める魔術師の一派が危険な術式の実験台を求めて多くの他の魔術師を捕らえていたらしい。自分も捕まり、成功する見込みのない術式を掛けられ他の者と同じ様に死んでいく筈だった。
しかしそうはならなかった。どうやら自分は特異な体質だったらしく不完全にも術式に適合してしまった。結局の所代償として魔術を扱う能力を失ったが故に失敗作と判断されて閉じ込められる事になったのだが。
だが連中は不老不死を舐め過ぎた。魔術が無くとも死なないのなら幾らでも無茶は出来る。それに時間は幾らでもあるのだ、抜け出しさえすればただ静かに機を待つだけで良かった。
術式をかけた者から、理論を組んだ者、一派の長から末端に至るまで全て調べ上げて関わった者一人一人何度も切り刻んで、実験の成果も目についた記録も全て燃やして、残っていた哀れな死に損ないも二度と動けぬように慈悲をかけた。もう後世には何一つ残っていない。
全てを終えた後、魔術を失った自分は生きる理由も宛もなくただ世界を彷徨っていた。
特別優秀では無いがさりとて劣っている訳ではない、探せば幾らでも見つかる程度の存在である私は魔術師としての普通に生きていくとずっと思っていた。
けれどそれはある日打ち砕かれた。どうやら永遠の命を求める魔術師の一派が危険な術式の実験台を求めて多くの他の魔術師を捕らえていたらしい。自分も捕まり、成功する見込みのない術式を掛けられ他の者と同じ様に死んでいく筈だった。
しかしそうはならなかった。どうやら自分は特異な体質だったらしく不完全にも術式に適合してしまった。結局の所代償として魔術を扱う能力を失ったが故に失敗作と判断されて閉じ込められる事になったのだが。
だが連中は不老不死を舐め過ぎた。魔術が無くとも死なないのなら幾らでも無茶は出来る。それに時間は幾らでもあるのだ、抜け出しさえすればただ静かに機を待つだけで良かった。
術式をかけた者から、理論を組んだ者、一派の長から末端に至るまで全て調べ上げて関わった者一人一人何度も切り刻んで、実験の成果も目についた記録も全て燃やして、残っていた哀れな死に損ないも二度と動けぬように慈悲をかけた。もう後世には何一つ残っていない。
全てを終えた後、魔術を失った自分は生きる理由も宛もなくただ世界を彷徨っていた。