00_死とは、終焉にして、発端である

ENo.47.ナポレオナス / 作成:2026/08/22 20:48 / 更新:2026/08/22 20:48
ナポレオナス・アレクサンテリ・イリァコス・ヒルデブラントヒルデブラント領主、アレクサンテリ家、正室生まれのナポレオナス
愛称レオン。

ヒルデブラント帝国第■代目皇帝ディミトリオスと正室カタリーナの第一子にして、帝国第一皇子。
父帝譲りの武芸の才能を幼少期から顕し、剣術の師より"颶剣グケン"の二つ名を賜った者。
若き頃より見目麗しく、人望に恵まれ。
皇帝に即位した後も、国を強く富ませ民を豊かな平和へ導いてくれる――国中の誰もがそう思い描き、信じていた。
其の栄光の死角で、10歳違いの異母弟側室生まれに対する陰口が絶えなかった現実を知らず、知ろうともしなかった。

だから。
だからこそ、其の報を聞いた、誰もが。
其れが現実だと、認めたくなかった。

遠征にて、最前線に出ていた皇帝陛下が重傷を負い、敗走中に息を引き取った――等と。


其れは、ナポレオナスが即位して、1年程経った頃の話――

遠征に勝利していれば。
或いは、せめて、生きて帰還さえ出来ていれば。
確実な治療を受けられ、恙無く22歳の誕生日を迎え、婚約者と正式な婚姻を結び、国中の民から言祝がれる筈だった。
母親と婚約者は、待ち侘びながら、誕生日の式典を準備していたのに、ね。