2:眠りにつきました。

ENo.28.エルディス・エアリアル / 作成:2026/08/27 22:23 / 更新:2026/08/27 22:23
みんなが幸せに、平和な中で生きててくれたらいいなってのは本当だった。
 私たちをお救い下さいって言われたあの時かえした言葉だって本心だった。

 僕がそうすることで、みんなが笑えるようになるなら。

 誰かの助けになることは、なんだか好きだった。お人好しすぎると仲間に呆れられても、それでも好きだったから。

旅の途中でまた会いに来るって言った約束は、もう果たせない。

 両親のことは愛していた。優しいお母さんと、ちょっと豪快なお父さんと。

 いつか、僕が成人したらお父さんと最初のお酒を飲むって約束をした。お父さんはいっとう特別なお酒を取ってくれていた。

 いつか、僕がお金を稼げるようになったら、お母さんに美味しいものとプレゼントをするんだって思ってた。その時に、育ててくれてありがとうって。いつもありがとうって言うんだって。

もう、もうお父さんにもお母さんにもあえないんだ。


 仲間のことは、大好きだった。

 フィルとの時間は好きだった。同年代の女の子とは縁がなかったけど、なんだか幼なじみみたいな感じで。
 次は荷物持ちに来させるんだからって言いながら、また出かけようとも言ってて。

魔法の街にお出かけに行こうって約束、果たせなくてごめん

 モルトはなんだかお兄ちゃんみたいな感じで、色んなことに詳しかった。6歳も上だからってのもあったかもだけど、彼の雰囲気もそうだったからかも。
 料理が上手くて、少しづつ教えてくれていた。今度は出身の地の誕生日の料理を教えてくれるって。

次の君の誕生日にはその料理を振る舞うんだって言ったのに、果たせなくてごめん

 ネリスは逆に妹みたいな感じだった。とはいっても、2つほどしか離れてないけども。
 聖域が解放される日はお祭りなんだって教えてくれて、じゃあ次のお祭りも一緒に行こうって。

もうお祭りにも行くことができなくなっちゃった。果たせなくてごめん



そして。 それで。


 ディータは一番の相棒だった。親友だった。
 偉そうで、自信家で、そのくせ自分に自信がなくて、寂しがり屋で。

 いつか見た、深い海と同じ青い目に似合うような、闇夜と水の力はずっと憧れでもあった。

 2人なら最強で、世界の果てまでだって冒険できるんだって思ってた。全部終わったら二人で冒険を続けるんだって。

 依頼を受けて魔物の討伐数で競いながら戦って、ダンジョンに挑んでお宝を見つけて、たどり着いた秘境で野宿して。








…………。
もっと生きていたかった。約束を果たして、ささやかな願いを叶えて、ただ世界を見たかった。



もっと、いきてたかった。おとなになりたかった。