破-みちびきのうた

ENo.30.トゥイーディア / 作成:2026/08/28 18:31 / 更新:2026/08/28 18:31
天から響く声が、決断の時が迫っていることを告げました。
それは"あわい"での暮らしも終わりを迎えることを意味します。
思えば、ここに来てから様々な出会いがありました。

生前に彼女と暮らしていた町に似た雰囲気を感じ、なんとなく訪れた市街地。
空いている民家をお借りして、人間ヒトの生活を真似るのは、意外と楽しい経験でした。
そこで知り合った人間ひと……挟間さんのおかげで、珈琲の美味しい飲み方を知ることもできました。
ナナシさんはどこか野良猫を彷彿とさせて、ひょっとしたらわたくしと近い境遇だったのかもしれません。

始まりの地である星空の花畑では、二人の女性と親しくなりました。
地上に憧れ、人間ヒトの脚を得た人魚のタンザさん。
美しい歌声を持ち、何より唄うことが好きなアリアさん。

皆様、出会ったのが死後であるのが惜しいほど素敵な方々で。
名残惜しくはありますが、いつか再会できる日を夢見て……私は来世への道を進みましょう。

どうか、皆様の選択が後悔のないものとなりますよう。
そして願わくば、彼女も交えて語らうことのできるような来世が訪れますように。