最近あったこと
性別不詳の記録の更新は大分気まぐれなので、結構前の記録が混じってたりする。
最近あったこと……性別不詳は、海に行ったよ。
最初にここに来たときに会った、トウヤさんと、凪さんもいたし、初めて会う人もいたね。
あと、トウヤさんは、性別不詳の姿を見て驚いてたね。
……そういえば、性別不詳は最初、魂の形が安定しなくて、影みたいになってたっけ。
でも、なんとか、今の形に落ち着いたみたいでよかった。
ちゃんと、髪型も神様とおそろいだったし。
性別不詳はね、髪型は神様とおそろいにしてるんだ。
鏡をみたら、神様と一緒にいるような気がするから。
髪質も毛の量も、顔も全然違うんだけどね。
それでも……この髪型は、神様との唯一のつながりだから。
あと海では……化け物が化け物になってたね……。
ああいうのって、魔物とかそういう区分になりそうだけど、どうなんだろうね。
性別不詳の世界だと、討伐対象だと思うな……。
……あんまり詳しくないけれど。
でも、あの水さん、絶対、普通の世界では生きられなかったタイプの人だと思う。
もとから怪しいとは思ってたけど、死体がいっぱいある部屋で安眠できるのは常人ではないと思う。
それに……死体をよく運んでいたらしい。
あとは……直感でしかないけれど、性別不詳のこういう直感は結構当たるんだ。
危機感知、っていうのかな。色々あってそういう人間を見分けるのは得意なんだ。
完全にあってる、とまでは言い切れないけれど、少なくともあのお水さんは真っ黒だと思う。
なんていうんだっけ……社会からはみ出た存在?普通に生きることはできないんだと思う。
性別不詳と一緒で、かわいそう。
あと、最近あったことと言えば……性別不詳にニックネーム?ができたよ。
ルーさんが言うにはね、「neither(ナイジャー)からとってきたらしい。
「おまえは何者でもなく、同時に、何者にでもなれるという可能性」
「おまえ自身の選択次第で、どちらにも変じることができる」
そういう意味があるんだって。
性別不詳はね、親に名前をつけてもらったかよくわからない。
だから、自分の名前もわからないし、神様につけてもらうまで本当に名無しの存在だったから。
人につけてもらったのは初めてだったと思う。
性別不詳のために、一生懸命考えてくれて、性別不詳は本当に嬉しかったな。
最初聞いたときは言葉自体は、よくわかってないけれど……。
……あのとき、ちゃんと意味が理解できてなくてごめんなさい。
……性別不詳はダメな子だから。
きっと、何者にもなれないと思うけれど。
性別不詳は……きっと本当はね、生きてちゃダメな存在だから。
ここで過ごして、性別不詳はそんな気がしてきたんだ。
ルーさんはきっと優しい人なのに……ごめんなさい……。
そういう意味では、あの運び屋の水さんと同じだね。
あと……民家にヤギさんがいたよ!
ラムネさんが教えてくれた、ヤギだ!!
最初、紙やおにぎりをあげたんだけど、紙には興味なくて、おにぎりはボールになっちゃったな……。
でもヤギさんは楽しそうに遊んでたからいいんじゃないかな……。
でも、その後ちゃんとなでなでできたし、ヤギさんと一緒に涼んだりしたよ。
動物と触れあえるようなところで生きてなかったから、撫でれてよかったなぁ。
ヤギさんの角と神様の角はちょっと似ている気がするから、進化したらヤギさんも神様になったりするのかな。
そうしたら、ヤギさんって、本当はものすごく神聖な生き物なのかな?
(ここでいう神様の角は悪魔の角ではあるんですがね)
またどこかでヤギさんと触れあえるといいな……。
黒い生き物でも、このヤギさんはいいヤギさんだね。
あと、神様から話を聞いていた「星屑列車」に似てる列車を見つけたよ。
性別不詳は、列車にはあまり乗ったことがないから、おとぎ話のように聞かせてくれたんだ。
実際に、なんか、すごい能力をさすがって、死んだら願いを叶えてくれる列車の乗務員さんになる、という人もいるらしい。
願いを叶える列車なんてあったら素敵だと、性別不詳は思うんだ。
……今の性別不詳は、何を願うのかわからないけれど。
前は今いる場所が嫌で救い を求めていたんだけど……ここに来て、色々知って、生きるのって楽しいのかもしれないって……。
……そんなことは書かない方が良いよね。
そういえば、あの列車に乗ってきたというお姉さんにも出会ったんだよね。
スマリさんっていうらしい。本当にあの列車はあるんだ、おとぎ話じゃないんだ!
どうやら、スマリさんは一緒に乗ってきた人とはぐれてしまったらしい。
……ひとりでいるのって、寂しいことだよね。
性別不詳は、神様がいなかったらきっと……ずっとひとりだったから。
スマリさんが探してる人に、早く会えると良いな。
あと、ここにはすりりんぐ?な遊園地があるらしい。
性別不詳は、遊園地にも行ったことがないから。時間を見つけて遊園地にもいってみたい!
花火も配ってるらしいから、花火もやってみたいな……!
……こうしてみると、性別不詳はやってないことがとても多いね。
あと、性別不詳は、路地裏に行ってみた。
路地裏は、行ったことがある。
外、という意味なら、ある意味一番いた場所かもしれない。
壁に貼られた古い張り紙、いくつも積まれているゴミ袋。
壁にもたれかかってる影。
どれも、見たことある光景だった。
そんな中、性別不詳は、落ちていた似顔絵を拾った。
そのときに、記憶が流れ込んできた。
お兄さんが、複数の大人に囲まれて、銃を突きつけられているところだった。
お兄さんが顔を上げて一瞬笑顔になった後――。
みんな消えて、手書きの似顔絵だけが残されていた。
『おにいちゃんと 平和に暮らしたかった』
そんな記録が、性別不詳の頭に入り込んできたんだ。
あぁ、そっか。
そういうことだったんだ。
――性別不詳は、そっち側の人間だってことを思い出した。
ある日、ぱったりと天使さまが見えなくなったあたりの話なんだけどね。
性別不詳の家に、大量に大人の人が押し寄せてきたの。
あとから聞いた話だと、お父さん宛の借金取りが家に押し寄せてきたらしい。
だから、性別不詳は、痛い目に遭ったよ。
このままだと、死んじゃうんじゃないかって、思った。
……でもね、性別不詳はまだ天使さまと一緒にいたかった。
性別不詳はダメな子だったから、お父さんによく怒られていたし、見捨てられたりもしたけれど。
どうせ、何やっても怒られるのはわかってるし、このまま死んじゃうくらいなら、いっそのこと、好きに怒られることしても良いって思ったの。
それくらい、天使さまが好きだったから。
そこからはよく覚えていない。
魔力が暴走したのか、火事の馬鹿力なのかよくわからないけれど……。
性別不詳は、大人たちを全員殺してしまったらしい。
その惨状を見た組織の人たちがね、性別不詳を見込んで、その組織の人に殺し屋として育てられて、暗殺部隊に所属することになったんだ。性別不詳はね、殺人鬼の才能があったみたいでね。色んな人を殺したんだ。
正直に言うとね、命を奪ったことには、悪いと思ってなかったんだ。
だって、性別不詳は、生きてる方がつらかったから。
でも、性別不詳はまた天使さまに会いたかったから、生きるために人を殺し続けたよ。
天使さまがいないと、性別不詳はひとりぼっち。
一人きりで死にたくはなかったから。
……それに、死は救いだから。
性別不詳は、悪いことはしてないって。
そう思って……いや、そう思わないとどこかで壊れちゃうから。
言われるままに、人を殺し続けた。
殺して、殺して、殺して、ころして――――。
しばらくしたある日、性別不詳の前に天使さまが現れた。
でも、天使さまはいつもの天使様じゃなくて、ヤギのような角が生えていた。
……あぁ、そうか。
天使さまは、性別不詳のために、神様になってくれたんだ。
この残酷で理不尽な世界から、救い出してくれる、そんな性別不詳の神様に!!!!
そうして、性別不詳の最期の記憶。
……だから、性別不詳は悪い子なんだ。
運び屋の水さんと同じ、そっち側の人間。
異常者側の、人間。
こういう、性別不詳みたいなのはね、普通に生きるのは無理なんだよ。
だから、水さんが人間の姿をしたとき、つい反射的に武器を取ってしまったんだよ。
水さんみたいに、死体が好きとか、そういうまともじゃない人間は、組織を通して何人も何人も見てきた。
だから、なんとなく、裏社会の人や、それに近い人物はわかるようになってしまった。
そう、だからあのときも、化け物の姿ではなく、裏社会の人と近い何かを感じ取ってしまった、人間の姿の時につい、反射的に武器を構えてしまった。
こういう自己防衛が癖になってしまっているんだ。
……だからきっと、普通に生きたいって思っちゃいけないんだと思う。
いくらここの生活が楽しいからって、その選択を選んでいいのか、性別不詳は迷っている。
最近あったこと……性別不詳は、海に行ったよ。
最初にここに来たときに会った、トウヤさんと、凪さんもいたし、初めて会う人もいたね。
あと、トウヤさんは、性別不詳の姿を見て驚いてたね。
……そういえば、性別不詳は最初、魂の形が安定しなくて、影みたいになってたっけ。
でも、なんとか、今の形に落ち着いたみたいでよかった。
ちゃんと、髪型も神様とおそろいだったし。
性別不詳はね、髪型は神様とおそろいにしてるんだ。
鏡をみたら、神様と一緒にいるような気がするから。
髪質も毛の量も、顔も全然違うんだけどね。
それでも……この髪型は、神様との唯一のつながりだから。
あと海では……化け物が化け物になってたね……。
ああいうのって、魔物とかそういう区分になりそうだけど、どうなんだろうね。
性別不詳の世界だと、討伐対象だと思うな……。
……あんまり詳しくないけれど。
でも、あの水さん、絶対、普通の世界では生きられなかったタイプの人だと思う。
もとから怪しいとは思ってたけど、死体がいっぱいある部屋で安眠できるのは常人ではないと思う。
それに……死体をよく運んでいたらしい。
あとは……直感でしかないけれど、性別不詳のこういう直感は結構当たるんだ。
危機感知、っていうのかな。色々あってそういう人間を見分けるのは得意なんだ。
完全にあってる、とまでは言い切れないけれど、少なくともあのお水さんは真っ黒だと思う。
なんていうんだっけ……社会からはみ出た存在?普通に生きることはできないんだと思う。
性別不詳と一緒で、かわいそう。
あと、最近あったことと言えば……性別不詳にニックネーム?ができたよ。
ルーさんが言うにはね、「neither(ナイジャー)からとってきたらしい。
「おまえは何者でもなく、同時に、何者にでもなれるという可能性」
「おまえ自身の選択次第で、どちらにも変じることができる」
そういう意味があるんだって。
性別不詳はね、親に名前をつけてもらったかよくわからない。
だから、自分の名前もわからないし、神様につけてもらうまで本当に名無しの存在だったから。
人につけてもらったのは初めてだったと思う。
性別不詳のために、一生懸命考えてくれて、性別不詳は本当に嬉しかったな。
最初聞いたときは言葉自体は、よくわかってないけれど……。
……あのとき、ちゃんと意味が理解できてなくてごめんなさい。
……性別不詳はダメな子だから。
きっと、何者にもなれないと思うけれど。
性別不詳は……きっと本当はね、生きてちゃダメな存在だから。
ここで過ごして、性別不詳はそんな気がしてきたんだ。
ルーさんはきっと優しい人なのに……ごめんなさい……。
そういう意味では、あの運び屋の水さんと同じだね。
あと……民家にヤギさんがいたよ!
ラムネさんが教えてくれた、ヤギだ!!
最初、紙やおにぎりをあげたんだけど、紙には興味なくて、おにぎりはボールになっちゃったな……。
でもヤギさんは楽しそうに遊んでたからいいんじゃないかな……。
でも、その後ちゃんとなでなでできたし、ヤギさんと一緒に涼んだりしたよ。
動物と触れあえるようなところで生きてなかったから、撫でれてよかったなぁ。
ヤギさんの角と神様の角はちょっと似ている気がするから、進化したらヤギさんも神様になったりするのかな。
そうしたら、ヤギさんって、本当はものすごく神聖な生き物なのかな?
(ここでいう神様の角は悪魔の角ではあるんですがね)
またどこかでヤギさんと触れあえるといいな……。
黒い生き物でも、このヤギさんはいいヤギさんだね。
あと、神様から話を聞いていた「星屑列車」に似てる列車を見つけたよ。
性別不詳は、列車にはあまり乗ったことがないから、おとぎ話のように聞かせてくれたんだ。
実際に、なんか、すごい能力をさすがって、死んだら願いを叶えてくれる列車の乗務員さんになる、という人もいるらしい。
願いを叶える列車なんてあったら素敵だと、性別不詳は思うんだ。
……今の性別不詳は、何を願うのかわからないけれど。
前は今いる場所が嫌で
……そんなことは書かない方が良いよね。
そういえば、あの列車に乗ってきたというお姉さんにも出会ったんだよね。
スマリさんっていうらしい。本当にあの列車はあるんだ、おとぎ話じゃないんだ!
どうやら、スマリさんは一緒に乗ってきた人とはぐれてしまったらしい。
……ひとりでいるのって、寂しいことだよね。
性別不詳は、神様がいなかったらきっと……ずっとひとりだったから。
スマリさんが探してる人に、早く会えると良いな。
あと、ここにはすりりんぐ?な遊園地があるらしい。
性別不詳は、遊園地にも行ったことがないから。時間を見つけて遊園地にもいってみたい!
花火も配ってるらしいから、花火もやってみたいな……!
……こうしてみると、性別不詳はやってないことがとても多いね。
あと、性別不詳は、路地裏に行ってみた。
路地裏は、行ったことがある。
外、という意味なら、ある意味一番いた場所かもしれない。
壁に貼られた古い張り紙、いくつも積まれているゴミ袋。
壁にもたれかかってる影。
どれも、見たことある光景だった。
そんな中、性別不詳は、落ちていた似顔絵を拾った。
そのときに、記憶が流れ込んできた。
お兄さんが、複数の大人に囲まれて、銃を突きつけられているところだった。
お兄さんが顔を上げて一瞬笑顔になった後――。
みんな消えて、手書きの似顔絵だけが残されていた。
『おにいちゃんと 平和に暮らしたかった』
そんな記録が、性別不詳の頭に入り込んできたんだ。
あぁ、そっか。
そういうことだったんだ。
――性別不詳は、そっち側の人間だってことを思い出した。
ある日、ぱったりと天使さまが見えなくなったあたりの話なんだけどね。
性別不詳の家に、大量に大人の人が押し寄せてきたの。
あとから聞いた話だと、お父さん宛の借金取りが家に押し寄せてきたらしい。
だから、性別不詳は、痛い目に遭ったよ。
このままだと、死んじゃうんじゃないかって、思った。
……でもね、性別不詳はまだ天使さまと一緒にいたかった。
性別不詳はダメな子だったから、お父さんによく怒られていたし、見捨てられたりもしたけれど。
どうせ、何やっても怒られるのはわかってるし、このまま死んじゃうくらいなら、いっそのこと、好きに怒られることしても良いって思ったの。
それくらい、天使さまが好きだったから。
そこからはよく覚えていない。
魔力が暴走したのか、火事の馬鹿力なのかよくわからないけれど……。
性別不詳は、大人たちを全員殺してしまったらしい。
その惨状を見た組織の人たちがね、性別不詳を見込んで、その組織の人に殺し屋として育てられて、暗殺部隊に所属することになったんだ。性別不詳はね、殺人鬼の才能があったみたいでね。色んな人を殺したんだ。
正直に言うとね、命を奪ったことには、悪いと思ってなかったんだ。
だって、性別不詳は、生きてる方がつらかったから。
でも、性別不詳はまた天使さまに会いたかったから、生きるために人を殺し続けたよ。
天使さまがいないと、性別不詳はひとりぼっち。
一人きりで死にたくはなかったから。
……それに、死は救いだから。
性別不詳は、悪いことはしてないって。
そう思って……いや、そう思わないとどこかで壊れちゃうから。
言われるままに、人を殺し続けた。
殺して、殺して、殺して、ころして――――。
しばらくしたある日、性別不詳の前に天使さまが現れた。
でも、天使さまはいつもの天使様じゃなくて、ヤギのような角が生えていた。
堕天使
……久しぶり
……あぁ、そうか。
天使さまは、性別不詳のために、神様になってくれたんだ。
この残酷で理不尽な世界から、救い出してくれる、そんな性別不詳の神様に!!!!
性別不詳
……ありがとう、神様
堕天使
僕は、神じゃない。今から君を死に至らせる、悪い堕天使なんだよ
性別不詳
……でも、性別不詳を救ってくれるから。性別不詳にとっての、神様だよ
堕天使
……ごめんね
そうして、性別不詳の最期の記憶。
……だから、性別不詳は悪い子なんだ。
運び屋の水さんと同じ、そっち側の人間。
異常者側の、人間。
こういう、性別不詳みたいなのはね、普通に生きるのは無理なんだよ。
だから、水さんが人間の姿をしたとき、つい反射的に武器を取ってしまったんだよ。
水さんみたいに、死体が好きとか、そういうまともじゃない人間は、組織を通して何人も何人も見てきた。
だから、なんとなく、裏社会の人や、それに近い人物はわかるようになってしまった。
そう、だからあのときも、化け物の姿ではなく、裏社会の人と近い何かを感じ取ってしまった、人間の姿の時につい、反射的に武器を構えてしまった。
こういう自己防衛が癖になってしまっているんだ。
……だからきっと、普通に生きたいって思っちゃいけないんだと思う。
いくらここの生活が楽しいからって、その選択を選んでいいのか、性別不詳は迷っている。