風船、風船、色とりどりの、
――某日。アプセト国内の遊園地にて。
今日は遊園地“バルーンランド”の記念すべき開園日である。
忙しなくスタッフたちが行き来し、やがてパレードが始まって、祝いの風船が宙を舞う。
あれから15年。勇敢な少女に救われたこどもたちは、それぞれ立派な大人になっていた。
救われたこどものうちのひとり――七人目のこどもである――遊園地の創設者のサーカス団長は、どこか寂しそうな顔で空へと消えていく風船を見上げていた。
これは嘗て、七人のこどもたちのために魔の川を飛び越えようとした、勇敢な少女への弔いでもあった。