風船、風船、色とりどりの、

ENo.77.バルーンランド / 作成:2026/08/30 13:09 / 更新:2026/08/30 13:39
 

――某日。アプセト国内の遊園地にて。

 今日は遊園地“バルーンランド”の記念すべき開園日である。
 忙しなくスタッフたちが行き来し、やがてパレードが始まって、祝いの風船が宙を舞う。
 あれから15年。勇敢な少女に救われたこどもたちは、それぞれ立派な大人になっていた。
 救われたこどものうちのひとり――七人目のこどもである――遊園地の創設者のサーカス団長は、どこか寂しそうな顔で空へと消えていく風船を見上げていた。

 これは嘗て、七人のこどもたちのために魔の川を飛び越えようとした、勇敢な少女への弔いでもあった。