箱庭の魔女より

風が吹いている。青空が凪いでいる。木がざわめいている。
それら全て、作り物でありながら。
それを気にしないように、墓石の隣に座っている。
『お勤めご苦労様、私の庭師』
『貴方の言う通り、ちゃんとあれは植え換えたよ』
『あの薔薇、貴方の身体から引き離されてずいぶん怒ってたけどやっと収まったの』
『……というか、ちょっと落ち込んでるかも。ようやく貴方が死んだことを理解したみたい』
『あれが殺したようなものなのにね』
『……貴方の死は隠匿されるべきである』
『朱塊とあいつに見つかったらたまったものじゃないからね』
『ずっと私の箱庭に納めておくよ』
『だから……どうか、私のように』
『あの魔王に、死を冒涜されることのないように。祈っているよ』
『"ノウェル"』