死後、魔王との対峙を経て

ENo.46.カルロス・オルィス / 作成:2026/08/22 18:34 / 更新:2026/08/22 18:34
激痛と、冷たさ。命がすぅっ…と抜けていくような感覚と……あとは、二度と味わいたくない喪失感。最期に見た景色は……真っ暗な闇だった。

「………おや…?」

ふと目を開けると、そこは全く知らない所。命のやり取りをして……おかしくなってしまったか?と思ったが……羽根を引き抜けばしっかり痛い。どうやら……あの庭とは違う異界へと迷い込んだらしい。

(……私は確かに死んだ。つまりここは…死後に来られる異界?ふむ…調査をしたいですが、流石に無理ですね……)

己の死にはこれといった感動や怒りはない。当然だ、普通の人間が、魔王などという化け物に敵う道理はない。

……ただ、生前は思い出せなかったあらゆる事が、一気に頭の中を駆け巡った。その中で、自分が命よりも大切にしていた者たちのことも。

(……ああ、そうか。その時間を、女神は与えてくれたのですね…)

梟は立つ。立って、歩こう。己の思いを消化するため、妻に逢っても、後悔しないために。