バルーンランド

ENo.77.バルーンランド / 作成:2026/08/23 03:27 / 更新:2026/08/24 05:51
 

私はバルーンランド。
偏性変異者で、風船を口から生み出すという、
なんの役にも立たない力を持っています。

私の国では、偏性変異者は差別の対象、畏怖の象徴でしたが、
風船を生み出すだけの人種ですから。怪訝な目で見られ、
避けられるだけで、特段、見向きもされませんでした。
人間としての名前は捨てました。
私を捨てた両親みたいに。

それでも、私を迎えてくれた孤児院は優しくて暖かかったです。
それでも、孤児院のこども達は愛らしくてみんな大切でした。
それでも、バルーンアートを見た人の笑顔は忘れられません。
それでも、私は私であることを誇りに思っています。

私はバルーンランド。
少しの間でもいいから、辛い現実は忘れて、ただただ笑顔でいて欲しいんです。
私が風船をたくさん浮かべたら、まるで夢のような世界に見えませんか。
風船はいかがですか? ねえ。風船は、いかがですか?