ENo.98.ラブミュー♥パレイドリア / 作成:2026/09/06 21:12 / 更新:2026/09/06 21:16
一番古い記憶は、のっぺらぼうな人たちに囲まれていたことでした。

「古代人類の隠匿は犯罪だとわかっていたのか?」
「そんな!ハイペリアウトjr. これは保護ですよ」
「愛護団体などと謳って、惑星の資源を自分たちだけで独占しようとしているではないか!」
「資源ではありませんよ、今どき肉の食糧など摂取できないのはご存知でしょう」


のっぺらぼうな人たちが、ぴかぴか光りながら話していました。
誰もパレイドリアのことを見てくれなくて、寂しくて、すみっこで座っていました。
お話がずーっと続いて、頭がぼーっとしてきた時、頭にお帽子を被った人がなにかをくれました。

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ジェイノス
「こんにちは、肉のお方!
 エネルギーの補給はいかがかね?これをどうぞ、味は保証しかねるが、今の君には必要だろう」

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ハイペリアウトJr.
「勝手なことをするなジェイノス!」

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ジェイノス
「落ち着き給えよハイ、なんだ冷却機構を水冷にでもしたのかね?」

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ハイペリアウトJr.
「私がそんな型落ちなど使うとでも!大体だな、それはジェイノス貴様だろうが」

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ジェイノス
「吾輩の義体情報をなぜ知っておるのだ?
 ……コホン。良いからハイ、君はあっちで一人で怒っていたまえ。
 吾輩はこの生き物に用があるのだよ」


お帽子の人はジェイノスさんだと教えてくれたので、お礼を言って、くれたものを食べてみました。
お口の中がびっくりする味で、すごいすごいと飛び跳ねてしまいました。
そんなパレイドリアを見て、ジェイノスさんは抱き上げてくれました。

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ジェイノス
「可愛らしい生き物だ。これからは吾輩が物資の提供をしてやろうではないか」


それから、もっと大きなお家で住めるように、沢山のことをしてくれました。


ジェイノスさんが用意してくれた大きなお家にも慣れました。
慣れないのは、たまにガラスの向こうに沢山の人がくることです。

パレイドリアがとても珍しくて、価値があるから、見に来てくれているそうです。
みんなのっぺらぼうなので、ちょっと怖かったですけれど。
顔がある人も居ましたが、その人はペラペラだったりで変な形でした。
手を振ってみたら、その中の一人がすっごい勢いでガラスにへばりついてきてびっくりしました。
跳ねたり、ボールで遊んだり、声を出したりしてみたら、その人は拍手をしてくれました。

嬉しかったので、その人も嬉しかったんだと思います。
もっと沢山の人を喜ばせたくて、パレイドリアと同じ笑顔にしたくて。
何をすればいいか考えて、ジェイノスさんにお願いしました。

「アイドルになって、皆に笑顔を届けたいです。
 そして、皆から笑顔をもらいたいです」

「では、私が君のファン第一号であるな」
「精一杯生きるのだよ、もう、君が最後なのだからな」

プライベートの時間も確保できるだろうし、悪くない!
君の体は、時間は有限なのだから、したいことをしなさい、
とジェイノスさんは言いました。
その後マネージャーとして、拍手をしてくれた人を連れてきてくれました。

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マネージャー
「まずは、そうだね」
「名前をつけてみるのはどう?」


それから、アイドルとして。
ラブミュー♥パレイドリアとしての人生が始まって、終わるまで。
沢山失敗もしました。
けれど、後悔は一つもなくって。




だから、あわいに来て。

とりあえず、遊ぼうと思いました。









ラブミューが遊園地で遊べる日がくるなんて!

遊園地は危険と楽しみが隣り合わせ、首を取られるところだと思っていましたけれど。
どうやら、危険で、楽しくて。

首は取られそうになるだけのところだったようです。


たくさん遊んで、おしゃべりして。
人の行く先を見て。














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ラブミュー [ENo.98]
No.10253 / 2026/08/27 16:29:54 / 駅のホーム
>>10225
「人など所詮ただの電気信号だと思っていたので」
「魂というものを納得するところから、難しいです」

 服が見つかるのが先か、全てが焼かれるのが先か。
 恐ろしい話!

 ツンツンと軽くつついて、今度は自分の手をつついています。
 生身の手です。温かくて、生きてきた人の手!

「堅実に生きてきた手です」
「……今回はその輪から外れてしまいましたか」




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ラブミュー [ENo.98]
No.12307 / 2026/08/29 02:09:57 / 遊園地
>>12226
「影さんにお掃除されちゃうかもしれませんね」

「ええ」「せめて、今後ここへ来る人のために」
「……消えることは出来ないのだと、書き残して置きたいほどには」

 終わりが良かったのだと頷きました。
 おわり。消滅。
 一瞬のきらめきでありたかったのです。

「魂……ですか」
「未だに、ここでこうしていても」「自分にそれがあるとは実感がなくて」
「その上輪廻に還るなんて、恐ろしく感じてしまいますが。ネリネさんは、それを選ぶのですね」

「ふふ」「ネリネさんなら、きっと」「新たな命として、きれいに芽吹けるのでしょうね」




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ラブミュー [ENo.98]
No.13494 / 2026/08/29 15:57:12 / 教会
>>13468
「少々笑顔が足りなかったので、魔法の呪文を唱えちゃいました」
「耳が良いですね……?」

 大きく出ちゃったのでしょうか。
 そう扱われるのが当然でしたし、自分が小さく感じたこともありません。

「記憶も経験も全てブラックホールストレージの中」
「思考も行動も全てサーバーで演算されるもので」
「ラブミューはどちらも肉体の脳でそれを行っていた」

 それだけの話。そこに魂があるなんて、定義できませんもの。

「超越だなんて、それこそ大きく出たのではないでしょうか」

 置き換わったとでも言いましょうか。
 それをやったのは自分ではないのですから、少し困ったような顔をしてしまいました。自分にはそんな技術、ありませんもの!




ええ、ラブミューは魂などないとは思っていましたけれど。


ちょっとした賭けでした。
現世、地獄、輪廻。
どれを選んでも、あるって証明されてしまうようで。

だったら、一番消えられるのは、魂がない世界へ戻ること。


なのに。


「……大丈夫?寂しくはないの?」

「……どうでしょう」




先のことを考えてしまいました。
何もない惑星で、いつか大事なお友だちに会えるのなら、寂しくないんじゃないかなって。
ラブミューに、魂なんてものが。あるんじゃないかなって思ってしまったみたいです。





あの星で、エラタスで、ずっと一人でもいいかなって。
ないと思っていた魂があるのですから。
きっと、希望だってあっていいし。
欲もありますからね。











キラキラ☆ラブ★アイドル~~!
   
   LOVE~?

 ME!
    YOU!

  LOVEMEYOU!!











それは、永遠を彷徨う魂。






それは、誰もが永遠と最適化を求めて、その末に消え去ったこの地で

ただ一人、永遠を手に入れたアイドル。

  



パレイドリアとは、意味のない光景や音の中に脳が知っている形や意味を見つけてしまう錯覚のこと


 


今は、この永遠は、いつか咲く花を一等賞で見届けるための長い長い待ち時間。