魔術を失ったその後に

ENo.31.エヴァン / 作成:2026/09/06 22:09 / 更新:2026/09/06 22:09
魔術を失った復讐を終えて、生きる理由も無いと自棄になって何度も何度も死のうとした。だが何をしても死ぬことは無く、ただただ痛みと再生を繰り返すだけ、死ぬ事は出来ないと悟った時自分に残された道は宛も無く放浪する事だけだった。
自分が不老不死だとバレれば何をされるかわからない以上人里に長期間留まる事は出来ない。
そうやって目的も無く何百年と彷徨い、時に山奥に引きこもっていた。気まぐれに数年程一箇所に留まる事はあってもそれ以上は危険だと出来上がった縁を全て切って立ち去ってまた宛も無く彷徨う。一度故郷へと戻った事もあるが五百年以上経った後ではもう何も自らが居た証は残っていなかった。
そうしてまた何処に行こうかと宛も無く旅を続ける内に世界から少しずつ魔法が神秘に属するものが消えていった。科学の発展によりどうやら自分の不老不死すら神秘の一つとして消えていくようだった。自分が失敗作だったのはどうやら確かだったらしい。しかしそれでもすぐさま死ぬような事はなく、老化こそゆっくりと進むものの生まれた時代より遥かに伸びた人の寿命よりは長い時が残されているようだった。