1:めでたしめでたし

ENo.28.エルディス・エアリアル / 作成:2026/08/23 17:32 / 更新:2026/08/23 17:32
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……うーん


 起きて、声をかけられたその後。まだどこに行くでもなく、勇者は考え事をしていた。

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エルディス
死んじゃったのか、僕

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エルディス
……そっかぁ


 押し寄せる軍団を仲間に託し、親友と共に魔王城の魔王を倒して。
 そして、待たせてると仲間たちのもとに二人で戻ろうとした。

 ただここまで走り抜けた大団円に向かって、踏み出した。

 そうしたらどうだったか。
 痛みが走り、光の矢に貫かれた。高濃度の瘴気に動けなくて、それでもゆすり続けてくれた親友の声は聞こえていた。

 治療しようと駆け寄ってくる聖女も見えていた。
 だけど、二人を狙ってまた弓が引き絞られる音が、風に乗って聞こえていた。


 だから、最後の力を振り絞って突き飛ばした。そうすれば自分は助からないのだと分かっていて。

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エルディス
皆、元気に生きてるかな


 勇者は仲間に、親友に、皆に生きていてほしかった。
 自分が死ぬことは、確かに怖かった。けれどもそれよりも、平和になった世界で皆幸せに生きていてほしかった。

 だから、自分が死んだことよりも。

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エルディス
みんな、元気かな


 それが心配だった。










その仲間たちは呪われ、親友は「勇者」を演じ続けているなんて、知る由はなかった。