効き過ぎた薬によるスポンジ頭。

ENo.17.キュラソー / 作成:2026/08/27 09:40 / 更新:2026/08/27 09:43
最近は、なんだか頭がぽやぽやとして……。
何を喋っていたんだか、何を思っていたんだかも曖昧でした。

なんだったかな。

ああ、そう、隣の部屋にいる子。
キュラソーというらしいんです。

その子とは良くお喋りをしていて……。
昨日は、確か、そう。絵本の話をしたんです。
銀河をゆく鉄道の……。

……絵本だったかな。本だったっけ。
忘れてしまいましたけど。
幸福の話をしていたのだったか……。
まあ、とにかく、そういう話をね。毎日していたんです。

キュラソーはなんだかさみしそうな子で……。
私も、たまに言葉を忘れてしまうから……。
それでも、お喋りをしていてあげたくて。
檻の外で交わされる言葉を、うんと耳を澄まして聞いて、覚えたりですね。
いや、覚え直し、と言うべきなんでしょうか? まあ、どっちでもいいか……。
ともかくね、そういう事をして過ごしていました。

……いつからこうしているんでしたっけ。
ええと、名前……そう、名前も忘れてしまって。

でも、あなたの名前は覚えていますよ。
キュラソー。
忘れちゃったら、きっとあなたは寂しいですもんね。

だから、ちゃんと覚えています。