4日目/白波漂子の回顧録

ENo.4.白波漂子 / 作成:2026/08/28 03:03 / 更新:2026/08/28 03:03
これは、私の記憶だ。

私は小さい頃から、とにかく活発で、フットワークが軽くて、目を離したらどこかに行っちゃうような。
そんな、良くも悪くも「若い」女の子だった。
両親は私のことを愛してくれた……けど私の自由過ぎるところにはちょっと呆れてたみたい。
そんな私が高校生になったばっかの、16歳の頃に人生を大きく変えることが起こった。
私、ネットを通じて仲良くなった人がいたの。
その人、私が好きなアニメとかゲームとかの話でとっても話が合う人で。
高校生になる前から何年も何年も関わりがあった人なの。
私、その人のことめっちゃくちゃ信用してて。会おうって言われて会いに行っちゃった。
それが、始まりで。

その人、酷い人だった。
私その人に……言葉にするのが辛いぐらいの酷いことたくさんされて。
両親や警察に助けを求めようものなら殺すって脅されて。
誰にも、誰にも助けを求められないままずっとずっと関係が続いて……

18歳の時、その人との子供産んじゃった。

今まで起きたこと考えればその子供のこと、嫌だって思っても仕方ないはず。はずなのに。
その子の顔見たら、なんだかすっごくかわいくて愛おしく思えて……
「このままじゃダメだ、逃げなきゃ!」って思った。
勇気出して、私子供を抱えて逃げようとしたの。
……でもそんなの、あの人にとっては想定内だったみたいで。

私は背中から包丁で刺されて死んじゃったんだ。

死ぬ直前、私見えちゃったの。
私の子供、本当は白波しらなみ 湊灯みなとって名付けたかった子供が、あの酷い人に奪われちゃうの。
私の夫、聖那浜みなはま いかり に奪われちゃうの。

最期に思ったことは、「この人を信じた私が馬鹿だった」だった。

でも、でもね。
湊灯が、「また俺を家族にしてくれ」って言ってくれたから。
クロくんが「巡り巡って2人で会いに行こう」って言ってくれたから。
私、それに応えたいの。
もっともっと、家族にしてもらえるようにしっかりするから。

待っててね、湊灯。