………おしまい。
誰かが言った
【春去りゆく時、ある人よ、目覚めることのなく】
誰かが言った
【終わり有り物語、語り草は枯れず】
誰かが、言いました
【人はすぐに死んでしまうの。
███・シュトーレン。貴女は、綺麗ね】
【とても綺麗な、"物語"】
何度目の春だったでしょう
とある、とおい 日のこと
その日は、ぽかぽかとあったかくて
思わずねむってしまいそうになるほど
………だったのです。
彼はちょうどその日、まちへ出かけていたのです。
"おつかい"をたのまれたからです。
村の人に、すこしはなれたまちへの。
戻った時には、いいえ、きちんというのなら
"森"からでてくる、たくさんのひとをみたとき
いても、たってもいられなくなって
彼は走りました
かぜよりもはやく
だれよりもおそく
魔女の元へ。
「…………ぁ」
魔女は、彼を、見ました
地面に広がった髪が、倒れていたじかんを、時計の針みたいに
示していました
傷ついた からだ、なんとか起きようとして、ダメで
また、起き上がろうとして
その試行錯誤が、地面に跡をつくっていました
「………ごめ、ん……ね」
「…………わたし、わた……わたしは………」
「良い魔女さんに、なれなかった……みたい」
にへらって、わらうそのかおは
自分ではきっと、なんてこともないように、わらえているとおもっていました
彼は、すぐに駆け寄って
「……んーん、もう……いいの」
「彼らが、恐がるのも……わかるから
……わるぅい、魔女、に、お似合いな終わり………でしょう?」
どうして、なんで、だれが
そんな言葉は、口へ出る前に
喉で、きえてしまいましたから、ぽつり、ぽつり
ほほをつたう、つめたぁい、おみず
ごめん、ごめん、ごめんなって、繰り返していた
遅すぎた後悔の、apology
「……わたし、ね」
「まえ、に……話した、の
おぼえてくれてる……?」
「"輪廻転生"の、おはなし」
「あなたと、であって
あなたと、わらって
あなたに、おしえて」
「そう……やってるうちに、ね」
「"次は、あなたとの記憶を持っていこうって"、そう思ったの」
「また、会えますようにって
また、笑いあえますようにって」
「わたしの、魔法は………」
「貴方が、覚えてくれてるでしょう?」
ふふふ、そう笑う魔女は、心底楽しそうだったのでしょう
あなたの、目を、ほほを、なみだを、ぬぐってあげて
「泣かないで」って、どの口が言うのか
魔女も、今にも泣きそうな目で
「人間のこと、嫌いになっても
……あなたは、あなたでいてね」
「人間、嫌になっても
まだㅤやめないでね」
「……………………」
「……わたしの、ぶんまで
今までの、魔法のぶんまで」
──長生き、してね
ああ、悪い魔女は
ああ、酷く、悪い魔女は
ああ、酷く、優しすぎた魔女は
ああ、酷く、酷く、弱かった魔女は
彼の腕の中で
消えてしまった。
それは、輪廻なんかじゃあない
魂の、現世からの消失。
なんて、ドラマにもなれない
恋愛映画の駄作品
人にとって、あまりにもあっけなく
魔女にとって、あまりにも濃かった
この物語は
【春去りゆく時、ある人よ、目覚めることのなく】
誰かが言った
【終わり有り物語、語り草は枯れず】
誰かが、言いました
【人はすぐに死んでしまうの。
███・シュトーレン。貴女は、綺麗ね】
【とても綺麗な、"物語"】
何度目の春だったでしょう
とある、とおい 日のこと
その日は、ぽかぽかとあったかくて
思わずねむってしまいそうになるほど
………だったのです。
彼はちょうどその日、まちへ出かけていたのです。
"おつかい"をたのまれたからです。
村の人に、すこしはなれたまちへの。
戻った時には、いいえ、きちんというのなら
"森"からでてくる、たくさんのひとをみたとき
いても、たってもいられなくなって
彼は走りました
かぜよりもはやく
だれよりもおそく
魔女の元へ。
「…………ぁ」
魔女は、彼を、見ました
地面に広がった髪が、倒れていたじかんを、時計の針みたいに
示していました
傷ついた からだ、なんとか起きようとして、ダメで
また、起き上がろうとして
その試行錯誤が、地面に跡をつくっていました
「………ごめ、ん……ね」
「…………わたし、わた……わたしは………」
「良い魔女さんに、なれなかった……みたい」
にへらって、わらうそのかおは
自分ではきっと、なんてこともないように、わらえているとおもっていました
彼は、すぐに駆け寄って
「……んーん、もう……いいの」
「彼らが、恐がるのも……わかるから
……わるぅい、魔女、に、お似合いな終わり………でしょう?」
どうして、なんで、だれが
そんな言葉は、口へ出る前に
喉で、きえてしまいましたから、ぽつり、ぽつり
ほほをつたう、つめたぁい、おみず
ごめん、ごめん、ごめんなって、繰り返していた
遅すぎた後悔の、apology
「……わたし、ね」
「まえ、に……話した、の
おぼえてくれてる……?」
「"輪廻転生"の、おはなし」
「あなたと、であって
あなたと、わらって
あなたに、おしえて」
「そう……やってるうちに、ね」
「"次は、あなたとの記憶を持っていこうって"、そう思ったの」
「また、会えますようにって
また、笑いあえますようにって」
「わたしの、魔法は………」
「貴方が、覚えてくれてるでしょう?」
ふふふ、そう笑う魔女は、心底楽しそうだったのでしょう
あなたの、目を、ほほを、なみだを、ぬぐってあげて
「泣かないで」って、どの口が言うのか
魔女も、今にも泣きそうな目で
「人間のこと、嫌いになっても
……あなたは、あなたでいてね」
「人間、嫌になっても
まだㅤやめないでね」
「……………………」
「……わたしの、ぶんまで
今までの、魔法のぶんまで」
──長生き、してね
ああ、悪い魔女は
ああ、酷く、悪い魔女は
ああ、酷く、優しすぎた魔女は
ああ、酷く、酷く、弱かった魔女は
彼の腕の中で
消えてしまった。
それは、輪廻なんかじゃあない
魂の、現世からの消失。
なんて、ドラマにもなれない
恋愛映画の駄作品
人にとって、あまりにもあっけなく
魔女にとって、あまりにも濃かった
この物語は