アウトフォーカス:1

ENo.26.或る写真家 / 作成:2026/08/22 23:23 / 更新:2026/08/22 23:23
──金の円盤が飛んでった。

空に文化は届けられた。

私たちの星と生き物は作り替えられた。

“上の人”の所有物となった。


──そんな、工業星の話だった。








「……?」
「…どのようなご用件で…」


「…ああ〜…はい、」

「はい、……ああ、」

「そうですか。ああ〜……」


「わかりました。そちらに向かいます」

「家族ですから」

「責任は、私が……」







──カメラのレンズを被写体に向ける。
写真屋の街の写真屋は大抵どの人間も撮りたいジャンルというものがあるのだと思う。
そうでないと自分の工房はいつまでも統一されないテーマのままだった。
雑多に並ぶ写真たちは個人の作品群としてはあまり評価されない。
上の人たちがそれを好むかと言われると、否定はしないと言った答えになってない答えが返ってくる。
ピンぼけした回答はつまり好ましく無いのだった。
別に依頼が来ないわけでは無いだろう。大量に適当に写真が欲しい人間もいないことはないが、どちらにせよ人間相手だった。
上の人ではなかった。


ピントを合わせてから絞りを変える。
構図は対角線がお好みだ。
被写体が美しく見えるように撮るのが1番大切だと思っている。
透き通る光の柔らかさ。
詰まるところ統一されたテーマというのはその人自身の好みであり、主張であり、自身の表れなのかもしれない。
コンセプトは心の引っ掛かりだった。

濁ったまなこをとりあげる。

ああ、それなら、こんなものを好むと自嘲しながら。
孤独が押し出された。

シャッターが下ろされた。