終りの日

ENo.80.ノワール&ブラン / 作成:2026/08/29 16:39 / 更新:2026/08/30 17:57
ふわりと肩が軽くなって、
彼女の身体が地面に崩れるのを見た。
椿の花が落ちるように。
紅い瞳が濁っていく。
同じ色の水が流れ出し、端から冷えていく。

神様の国なんてどうでもよかった。
彼女の隣だけが、自分の国だった。
神様の国へ近づくたびに、
彼女の瞳が希望をたたえて、きらきらと輝くのを、
ずっと隣で見ていたかった。
ずっと隣にいたかっただけ。

「ねぇ、ブラン。わたしたち、ずぅっと一緒なのだわ」

神様の国があるのか、ないのか、あるいは別の国があるのかは知らないが、
ノワールとブランは、“ずっと一緒”なのだ。
約束。
原初の契り。
ノワールとブランは、ずっと、“同じ状態”であること。

彼女のそばへ跪く俺の背後で、悪魔のが風を切る音が聞こえた。